ダブルスタンダードがどうしてウケる? その秘密は?
ダブルスタンダードが浸透している。ファッションの世界のトレンドやブランドは入れ替わりが激しい。そんな中で、滝野雅久氏がチーフデザイナーをつとめるダブスタ・ダブルスタンダードがいつの間にか覇権を握ろうとしている。ダブルスタンダードとは意味ありげなブランド名なのだけれど、一体何を意味しているのだろうか。そもそもダブルスタンダードとは直訳すれば「二重の基準」
。アメリカの外交政策を揶揄する表現として新聞の政治面を飾ってきた言葉でもある。ダブルスタンダードの好例をいうと自国は世界一のスパイ組織CIA(アメリカ中央情報局)を使って世界中で諜報活動を展開しながら、アメリカへのスパイ活動を一切認めないという具合だ。ダブルスタンダードと聞けば普通の国際人ならアパレルの事ではなくてジェームスボンドのMI6、CIA、KGBの事なのだ。皆、「表と裏の顔」を使い分け、変幻自在の存在感を示している。滝野雅久氏のダブスタ・ダブルスタンダードもこういった変幻自在の存在感を発揮しつつある。
ダブスタのターゲットを聞いたら面白い話し。日本人は無茶な英語が得意だ。ダブルスタンダードクロージングがダブスタと称されているのもかなり恥ずかしい日本の英語力を曝け出しているけれど、更にその先がある。ダブルスタンダードクロージングのコア・ターゲットは「アラサー」なのだそうだ。このアラサー、なんとAround Thirtyの略らしい。novaの破綻の大きさで思い知ったように一億総英語勉強したい病の日本で生まれたダブルスタンダード・ダブスタのターゲットが「アラサー」だというから笑うしかない。このダブルスタンダードクロージング・ダブスタのターゲット、アラサーとは「30歳前後」の事らしい。現在の30前後といえば、安室ナミエの第一次コギャル世代。この世代、実は結構な裕福層が含まれている。このアラサーに向けて発信されたのがダブスタ・ダブルスタンダードクロージングという事なのだ。当然、アラサーの目は肥えている。まさに人生で最も可処分所得の多い時期にさしかかっているから色々なファッションを直に試しているからだ。ダブルスタンダードクロージングはそういったアラサー達が社会の中心であり続ける向こう5年〜10年は確固たる地位を持ち続けるだろう。
ダブルスタンダードクロージングは先を見越す形で2002年の秋冬ものからスタートされた。モードとリアルの交錯をもってダブルスタンダードクロージングのコンセプトにしているが、当初はモード感を少し強めに出し、更に2006年春夏物ではメンズもラインに加わって成長を続けている。このダブルスタンダードクロージングの生みの親が滝野雅久氏。氏のコンセプトは着実に成長を見せ今日に至っているが、これに目をつけたのがオンワード樫山。2000億円を超えるメガアパレル商社であり、過去、幾度と無くスタンダードトレンドを繰り出してきたプロデューサー企業だ。ターゲットとしては同じアラサーを狙うオンワード樫山版のダブルスタンダードクロージングがノーブルバースブランド。アラサーを狙い源流を同じくした二つのブランド、ダブルスタンダードクロージングとノーブルバースはどこまでアラサーを引っ張る事ができるか、興味が尽きない。